知識経済部門を中心とした日米独等8ヶ国経済比較: 1995〜2011年産業連関分析


 第5節第4項  日米独等8ヶ国1995〜2011年就業者数推移分析
1995〜2011年の変化を測定するための2011/1995年の比を指標とする8ヶ国各
国の就業者数2011/1995年比の推移*を、表Ⅵに、更に添付ファイルのExcel図:8ヶ国の就業者数推移*1995〜2011年を図41〜48に示す。

表Ⅴ 8ヶ国1995〜2011年就業者数2011/1995年比の推移*
                                                    
 国名   全産業部門 製造業部門 サービス部門 知識経済部門 教育部門
日本        86.4%    63.8%   100.4% 125.8% 114.0%
アメリカ     108.6%     78.4%   117.0% 123.1% 147.2%
イギリス     117.8%    88.1%   127.7% 137.7% 122.6%
ドイツ      111.7%      80.4%    128.1% 139.7% 125.8%
フランス     112.7%     85.3%   123.1% 125.1% 99.8%
フィンランド   121.4%    102.0%   131.5% 138.2% 125.3%
スウェーデン  111.4%     94.1%   118.1% 119.1% 120.8%
デンマーク    107.3%   78.5%   118.8% 124.0% 123.1%

日本:


表Ⅴ(単位:1995年100%)および図41(単位:1万人)を検証すると、全産業部門就業者数は1995年より減少傾向であったが、2008年リーマンショックの影響で2009年は急落した、その後同一レベルで推移、2011/1995年比:86.4%、製造業部門は下落続きの推移だったが2008年リーマンショックの影響で大きく下落後は下げ止まる、2011/1995年比: 63.8%、サ-ビス部門は2008年まで増大傾向が続いたが、2008年リーマンショックでは下落後同一レベルで推移し、2011/1995年比:100.4%、知識経済部門は1995年より増大傾向であったが2008年リーマンショックでは影響を受け若干下落後微増路線で、2011/1995年比:125.8%となる。教育部門も類似の推移で、2011/1995年比:114.0%である。

アメリカ:


表Ⅴ(単位:1995年100%)および図42(単位:1万人)を検証すると、全産業部門就業者数は2000〜2003年に停滞時期があった以外は、2008年まで緩やかに増大したが、リーマンショックの翌年2009年に急落し、以後停滞している、2011/1995年比:108.6%。製造業部門は下落続きの推移で2008年リーマンショックでも更に下落したが以後同一レベルで推移、2011/1995年比:78.4%。サ-ビス部門は全産業部門と類似の推移で、2011/1995年比:117.0%。知識経済部門も同様の推移だがリーマンショックの影響は軽微で、2011/1995年比:123.1%、また教育部門は2008年リーマンショックの影響受けずに1995年より逐次増大し、2011/1995年比:147.2%である。

イギリス:


表Ⅴ(単位:1995年100%)および図43(単位:1万人)を検証すると、全産業部門就業者数は2008年リーマンショックまで毎年増大したが、2009年は2007年レベルに下落するも、翌年から急増し、2011/1995年比:117.8%。製造業部門はリーマンショックの年まで下落が続いたが2009年より増大し、2011/1995年比:88.1%。サ-ビス部門も全産業部門に類似の推移で、2011/1995年比:127.7%、知識経済部門も類似の推移で、2011/1995年比:137.7%。教育部門は2008年リーマンショックの影響無しに推移し、2011/1995年比:122.6%である

ドイツ:


表Ⅴ(単位:1995年100%)および図44(単位:1万人)を検証すると、全産業部門就業者数は2000〜2005年停滞した以外は緩やかに増加し、2008年リーマンショックの年より2年間停滞したが2010年より増大した、2011/1995年比:111.7%。製造業部門は1995年以降緩やかに下落が続いたが2010年より微増し、2011/1995年比:80.4%。サ-ビス部門就業者数推移は全産業部門の推移に類似、しかし2008年以降は増加率大で、2011/1995年比:128.1%、知識経済部門就業者数推移も同様の推移で、2011/1995年比:139.7%。教育部門就業者数推移は2008年リーマンショック無しで推移し、2011/1995年比:125.8%である。

フランス:


表Ⅴ(単位:1995年100%)および図45(単位:1万人)を検証すると、全産業部門就業者数は2001〜2005年増加が停滞したがその他の年は緩やかに増加し、2008年リーマンショックの影響は軽微で、2011/1995年比:112.7%。製造業部門の就業者数は微減続きで推移、2011/1995年比:85.3%、サ-ビス部門および知識経済部門は全産業部門就業者数推移と類似の推移だがリーマンショックの影響は軽微で、2011/1995年比は各々:123.1%、及び:125.1%。教育部門就業者数は1995年より増大が続いたが2008年リーマンショックの年より減少で推移し、2011/1995年比:99.8%である。

フィンランド:


表Ⅴ(単位:1995年100%)および図46(単位:1万人)を検証すると、全産業部門就業者数は2002〜2003年に停滞したがその後は増大した、しかし2008年リーマンショックの翌年急落し、2009年は2007年レベルでありその後は停滞した、2011/1995年比:121.4%。製造業部門の就業者数は1996年に下落したが以後微増で推移、2011/1995年比:102.0%で8か国中ただ1国就業者数増大を記録している。サ-ビス部門就業者数推移は全産業部門に類似しており、2011/1995年比:131.5%。知識経済部門就業者数は2008年リーマンショックの影響無しで推移し、2011/1995年比:138.2%。教育部門も類似の推移で、2011/1995年比:125.3%である。

スウェーデン:


表Ⅴ(単位:1995年100%)および図47(単位:1万人)を検証すると、全産業部門就業者数は2001〜2004年増加が停滞した以外増大が続いた、2008年リーマンショックの翌年は2007年レベルまで下落するも以後増大した、2011/1995年比:111.4%。製造業部門就業者数推移は減少が続く展開で、2011/1995年比:94.1%。サ-ビス部門および知識経済部門は全産業部門と類似の推移で、2011/1995年比:118.1%、および2011/1995年比:119.1%。教育部門は停滞なく増大を続け、2011/1995年比:120.8%である。 

デンマーク:


表Ⅴ(単位:1995年100%)および図48(単位:1万人)を検証すると、全産業部門就業者数は2001〜2003年に微減時期があった以外増大が続いた展開である、リーマンショックの年2008年より2010年までは減少を記録し、2010年~2011年は同一レベルで、2011/1995年比:107.3%。製造業部門就業者数は微減続きて推移後リーマンショックの2008年以降減少が続き、2011/1995年比:78.5%。サ-ビス部門就業者数推移は全産業部門に類似し、2011/1995年比:118.8%。知識経済部門の就業者数は増大が続いたが2008年リーマンショックの影響後は停滞し、2011/1995年比:124.0%、教育部門の就業者数は増大が続き2008年リーマンショックの影響も受けづに増大、2011/1995年比:123.1%である。

第5節第4項の1  日米独等8ヶ国1995〜2011年パートタイム就業者数推移分析
 表Ⅵ 8ヶ国1995年~2011年フルタイム・パートタイム就業者数の推移を検証すると、データが供給されているのは1995年以降で各年の日本のフルタイム就業者は68.3
~71.1%、アメリカは66.6~74.1%、イギリスは2000年以降のデータが供給されており、
69.3~71.8%、ドイツは2005年以降のデータであり、65.5~72.7%、フランスは2003年以降のデータで、63.7~64.9%、フィンランドは1998年以降データが供給されており、64.1~70.3%、スウェーデンのデータは2001年以降であり、72.1~74.3%、デンマークのデータは1999年以降で、76.1~77.9%と、8ヶ国のフルタイム就業者は何れも60%台~70%台であることが判明する。
 表Ⅵのデータより作成した表Ⅶ 8ヶ国1995〜2011年パートタイム(非正規)就業者割合の推移を下記に示す、
表Ⅶ 8ヶ国1995〜2011年パートタイム(非正規)就業者6)割合の推移   単位:%∕全就業者
 国名       1995年     2000年     2005年     2011年
日本         30.8        31.0       30.6       28.9
アメリカ       27.5        25.9       28.5       33.4
イギリス       -         28.8        30.7       28.9
ドイツ         -        -         34.5       27.3
フランス       -        -       36.2       36.1
フィンランド     -        32.8        31.6       31.0
スウェーデン    -        25.9*       27.7       26.4
デンマーク      -        23.7       24.1       26.8
*: 2001年
 表Ⅶのデータを検証すると、8ヶ国何れの国でも全就業者に対するパートタイム(非正規)就業者割合が、1995年以降データが把握できる範囲で、20%台~36.2%で推移している事実と、図33~図40:生産額推移、図41~図48:就業者数推移、及び図41~図56:生産性推移を勘案すれば、日本以外の7ヶ国はパートタイム(非正規)就業者の労働を生かして経済発展(生産額増大、就業者数増、生産性向上)を果たしている事実が判明する。
日本のみ全生産額、全就業者数、全生産性がすべて低迷・経済低迷が続いている。日本と他の7ヶ国との違いは、第3節第3項の3で判明するようにパートタイム(非正規)就業者が社会保障費を受給していないことだけである。以上の分析より他の7ヶ国並みの経済成長を取り戻すためには、パートタイム(非正規)就業者に社会保障費を給付する報酬制度に改革し、パートタイム(非正規)就業者の労働が生み出す生産高の税収を知識経済部門を含むサービス部門の就業者増、生産高増及び生産性増の原因となる政策に切り替えるべきと考える。

就業者数推移分析:要約
全産業部門就業者数は日本以外の7ヶ国で1995年より高く、10%近辺の就業者数増加を記録しているが、日本のみ13.6%も減少している。製造業部門の就業者数はフィンランド以外の6ヶ国で1995年就業者数より減少しており、アメリカ21.6%減、デンマークで21.5%減であるが、その他4ヶ国は5.9%~19.9%減に留めているのに日本のみ36.2%も減少している。製造業部門の就業者数減少を補う筈のサービス部門の就業者数はアメリカは17.0%増だが、その他6ヶ国はアメリカより就業者数増が大きいが、日本はほぼ1995年並みの0.4%増に留まっている。知識経済部門の就業者数変化は、20.8〜47.2%増だが、全産業部門就業者数が減少している日本は中間の25.8%増である。教育部門はフランスが2007年より就業者数の減少を続けた結果2011/1995年比99.8%であるが、その他の6ヶ国は20.8〜47.2%増を記録している。一方日本は14.0%増と低い増加率に留まっている。日本の全産業部門就業者数はただ1ヶ国大きく減少しているので、知識経済部門を含むサービス部門の就業者数2011/1995年比が大きく伸びなければ他国並みの全産業部門就業者増を達成できないにもかかわらず、8ヶ国中最低であることは全産業の就業者が13.6%も減少している原因となっており、経済低迷を反映している。
また、8ヶ国1995〜2011年パートタイム(非正規)就業者割合の推移分析より、日本のパートタイム(非正規)就業者割合は他の7ヶ国並みであり、7ヶ国との違いはパートタイム(非正規)就業者が社会保障費を受給していないことである。以上の事実を考慮すれば、他の7ヶ国並みの経済成長を取り戻すためには、パートタイム(非正規)就業者に社会保障費を給付する報酬制度に改革し、パートタイム(非正規)就業者の労働が生み出す生産高の税収を使用して知識経済部門を含むサービス部門の雇用(就業者)創出を行うべきである。日本政府の説明では、中小企業の経済負担及び事務負担を減らすため、パートタイム(非正規)就業者に社会保障費を支給しない制度と、マスメディアが報じているが、経済不振の経済では結果として中小企業の経営も不振を続けることなる。他の7ヶ国のパートタイム(非正規)就業者が社会保障費給付を受給しながら、7ヶ国は経済成長を続けている事実に学ぶべきと考える。

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